「元彼の遺言状」新川帆立 遺産を譲ることが復讐に!?

ミステリー

あらすじ

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。ところが、件の遺書が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され……。

読むに至った経緯

会社を休職中に近くの本屋で見つけ、ミステリーで気分転換しようとして購入した。バリキャリの主人公がまぶしかったことと、会社関係の話を頭に入れたくなくて、2週間近く積んでしまっていた。自分の体調も回復して本を読めるようになってきたところで読んだ。

感想

3.5

ミステリー作品として楽しむことができた。登場人物の動機に少し納得がいかなかったり、主人公の周りで都合よく物語が回っている部分もあるが、そこは読みやすさやドラマティックな展開にするためのものとして受け入れられた。物語のキーワードとして「贈与論」の話が出てくるのだが、これは興味深かった。贈り物をしあうことで、最終的にはどちらかがインフレする贈り物を返しきれなくなり破滅するという話である。これを踏まえると、バレンタインデーで贈り物を先にする女性は賢いな~と思った。

コメント

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