自分の経験が誰かにとっての道しるべになるかもしれないので、適応障害になった過程や心境を記録しておこうと思う。
経歴・性格
私の経歴からいうと理系の大学院を卒業して大手メーカーの開発職について5年目になる。性格的には真面目な優等生タイプだと個人的には思っており、仕事には100%の力で真剣に取り組んでいた。自分で高い目標を掲げて、いろんなことに挑戦してきた。先輩方の指導のおかげもあり社会人として成長を実感できていた。また自分の足りない力を伸ばそうと努力をしてきた。
適応障害と診断されるまで
適応障害になったのは、人手の足りていないプロジェクトのサポートに入ったときのことだった。プロダクトのリリースが迫っており、プロジェクト全体で業務量が多く長時間労働が続いているような環境であった。自分はその中のチームに入って納期に間に合わせるために必死に働いた。初めての人や開発環境や場所で、とにかく成果物を出さなければいけない、周囲の部署に迷惑をかけてはいけない、と休憩もあまりとらず、出勤から退勤まで仕事に注力し続けた。その中で残業時間が大幅に増えて、文字通り家と会社を往復することしかできなくなってしまっていた。具体的には、料理をする余裕がなくなった。ご飯を自分で炊いていたが、パックのご飯に変わった。夜にお風呂に入れなくなった。朝起きてシャワーを浴びてから会社に急いで向かうようになった。自分の肌のケアもできなくなった。平日に行っていたジムもいけなくなっていた。休日のときもオフの状態にできず、あれもしないといけない、これもできていないなど、仕事のことを考え、仕事が来ることをとても億劫に感じていた。
仕事に関しては、長時間労働の中で疲労はたまっていたが、そのようなことは今までもあったので、特に心配はしていなかった。しかし、頭痛ではないが頭が膨張するような感覚が出るようになっていた。難しい問題を考え続けていると出るような症状が慢性的に出るようになっていた。このときは単純にチャレンジングな課題に取り組んでいてそれが脳疲労につながっているのだと思っていた。このような状況で、次々に課題が出てきたり納期が迫ったりする中で、次第にプレッシャーや不安を強く感じるようになっていた。
そしてある日、チームで今後の方針について話をしているときに、今後の課題の山積み感とスケジュールの厳しさにこれまでの生活がまだまだ続くのかと思い、絶望した。すると相手の話が頭に入らなくなった。自分の進捗報告の番が来るまでに体が熱くなり、呼吸も浅く鼓動も早くなっていた。上着を脱いで体温調節をするが落ち着かない。自分の進捗報告のときは、何とか滞りなく報告できたが、ディスカッションではあまり頭が働いていなかった。早く終わってくれと心から願っていた。進捗報告が終わった後、体の調子がよくないとは思いながら、あと少しだけと、作業を続けようとした。しかし、資料の内容が頭に入らなくなっていた。やらなければ進まないと思いながらも、やる気もでなくなってしまっていた。水を飲んだり、休憩をとったりしたが、落ち着かない。これは本当にまずい状態だと思い、チームリーダーに伝えに行こうとしたが、周りの目もありタイミングを失ってしまい、相談できなかった。その日は、とりあえず、今日はもうだめだと退勤した。
退勤した後、近くの行きつけの銭湯に行ってリフレッシュしようとした。しかし、お風呂に入っても全くリラックスできない。仕事のことが頭から離れない。サウナに入っても仕事のことばかり考えていた。お風呂では、明日はどうしようか。この状態では仕事はできない。明日は休もう。病院に行こう、と考える様になっていた。
帰りの電車の中で予約できるメンタルクリニックを探した。夜遅くまでやっているところもあるのだなと思いながら、明日行けるところを予約できた。とりあえず、欠勤の連絡は明日の朝にすれば大丈夫と家に帰って寝た。
次の日の朝、欠勤の連絡を入れた。仕事も山積みなので職場の人にも迷惑かけてしまうと思っていた。そして、メンタルクリニックに向かった。
メンタルクリニックでは、白い壁の正方形型の待合室で、一人用の椅子が同じ向きに一定間隔で置いてあった。受付を済ませて、呼ばれるのを待っている間、自分はどうなってしまうのだろうと、緊張しながら呼ばれるのを待っていた。そして自分の順番が来て診察が始まった。まずは自分のプロフィールや症状を伝えた。症状を伝えている間は、頭痛がしており、無意識に自分の右手を額に当てていた。ほかに生活状況、自分の小さい時の様子や性格、親の病歴などについて話した。そして診断の結果、抑うつ状態が強く、頭痛、頭重感、意欲のなさなどから、抑うつ神経症/適応障害と診断された。適応障害については診断前に自分である程度は調べていたため、やはりそうだったのだとあまり驚きはしなかった。そしていったん会社は休んだほうがいいですと言われて、1か月休むことに決めた。このとき、やっと休むことができる、とめちゃくちゃ安心した。
そして診断書と薬をもらって帰宅して、上司に休職の連絡を入れた。
続きは別途更新予定。
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